「リバースモーゲージ」が高齢者ローンの切り札となれないわけ

「リバースモーゲージ」が高齢者ローンの切り札となれないわけ

近年、老後破綻の原因の1つといわれる「定年後の住宅ローンの支払い」ですが、少しでも金利を安くできないかとローンの借り換えを検討されることもあるかと思います。
住宅ローンの借り換えの年齢制限は主に66歳未満であることが多いため高齢者はなかなか容易に借り換えられない状況があります。
しかし、一方で高齢者でないと融資されないローンもあります。それが「リバースモーゲージ」と呼ばれる制度です。

「リバースモーゲージ」とは高齢者が自分の家を担保にして融資を受け、亡くなった後に自宅を売却して返済する制度です。

リバース(逆)モーゲージ(担保)で逆担保融資ともいわれます。

リバースモーゲージのメリット

融資は生きている間受けることが出来るという事で、年齢制限が通常の住宅ローンとは逆に65歳以上の高齢者が対象になっています。
一括又は年金の形でお金を借りることができますし、住宅ローンが残っている場合、通常のローン返済だと金利+元金が返済額ですが、リバースモーゲージの場合は金利だけを支払うことになります。そのため1か月当たり約10万円の余裕がでるといわれています。
そして、自分が生きている間(契約者が死んだ場合、一緒に住んでいる配偶者も)自宅に住む続けることが出来るのです。

リバースモーゲージのデメリット

住宅ローンを抱える高齢者にとってまるで夢のような融資制度ですが、この制度、なかなか浸透してはいません。
それはメリットよりも問題点のほうが多いからです。

  • 多くの金融機関では土地付き一戸建てという制限を設けています。一部銀行ではマンションも可能ですが、都市部に限られています。
  • 銀行が扱うリバースモーゲージは住宅ローンのような固定金利ではなく変動金利のため、将来金利が上昇すると毎月の金利負担も増えます。
  • 銀行は担保となる資産を定期的に評価します。もともと、売却時の資産価値下落を見込んで対象不動産の評価額の6割から7割を融資額としているのですが、それ以上に資産価値が下落した場合、差額分の返済を要求されてしまいます。
  • また、融資後思った以上に長生きをして契約の満期を超えてしまうと、融資が停止してしまったり、一括返済を求められるリスクもあります。
リバースモーゲージは融資額の元本が全く減らないため、契約者の死後、残った自宅で返済を行います。
ですので、自宅を相続させることはできません。また、不足分の返済義務は連帯保証人となる契約者の相続人が承継することになります。
そして、たとえ介護のためでも、こどもが同居している場合は融資が認められないなど残された家族にとってはあまり良い制度とは言えないといえます。
一見高齢者にとって良い制度のように思われるのですが、デメリットや問題点が多いと感じます。
この制度が高齢者社会といわれる現代に浸透していない理由といえるでしょう。